エクソンの塩基配列のエクソーム解析
DNAのエクソーム解析とは、DNAの中のエクソンと呼ばれる領域に特化してその塩基配列を解析するものです。
なぜ特化するのかと言えば、効率的に解析できると考えられているからで、DNAの中ではエクソン領域がそれ以外の領域と比較すると重要だと考えられているからに他なりません。
実は、エクソン領域とはDNAの中で最終的にタンパク質に翻訳される領域です。
古典的な考え方に従えば、DNAはRNAを経てタンパク質を産生することにその意義があるため、エクソン領域が重視されることになるわけです。
DNAの中でエクソンは驚くほどわずかしか占めておらず、1%から2%程度に過ぎないと言われています。
もちろん現在ではエクソン領域であろうがそれ以外の領域であろうが関係なくDNAの塩基配列を調べることは技術的には可能なのですが、効率が違うのは理解できるでしょう。
わずか2%程度のことを知りたいために残りの98%も含めて調べるのは費用も時間も無駄になってしまいます。
そのため、限られたリソース内で効率的に遺伝子を調べる場合、エクソン領域に特化して塩基配列を調べるエクソーム解析が有用な手段になりうるわけです。
ただし万能ではないことは心に留めておく必要があります。
エクソンではない領域については本当に何の意味も持たないのかというのは当然ながら生じる疑問であり、それについての研究も進んでいます。
実はいろいろなところで生体にとって重要な役割を果たしていそうだという研究結果もあるからです。